介護施設における転倒事故の現状

介護施設で誤薬事故や接触事故など様々な事故が起きるが、特に多いのが転倒事故である。介護施設で起こる事故の中でも、転倒事故は半分近くを占めている。介護施設に入所している人は身体が自由に動かせない人が多いため、バランスを崩しやすいからだ。

転倒事故が起こりやすいのは、立ちあがる時や起き上がる時、施設内を移動している時、リハビリをしている時だ。また、転倒事故が起こりやすい場所として、ベッドやトイレが挙げられる。時間帯としては、夜間や明け方のタイミングで転倒事故が起こりやすいようだ。

ベッドでの転倒事故は特に多く、移動する時やベッドに寝ている時に転倒するのである。ベッドサイドに座った状態から転倒する可能性もある。ベッドサイドにいる時に介助してくれる人がいないと自力で動こうとして、体勢を崩してしまうのである。可能な限り職員が利用者から目を離さないことが求められる。

トイレに行く際には複雑な動作が求められることから、トイレでも転倒事故が起こりやすい。転倒防止や転倒した際の怪我を軽減するには、転倒の衝撃を緩和してくれるマットを敷くことが有効だ。

転倒事故は介護施設の利用者に悪影響をもたらしかねないので、起こさないようにすることが重要だ。転倒することで骨折など身体に影響が出ることもあるが、怪我がない場合にも精神的ダメージを負う可能性も考えられる。また転倒するかもしれない、と転倒への恐怖心で動くことに消極的になることも十分にあり得るのだ。